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ー3日前ー

美琴「できたー!」

美琴「よかった~間に合って」

美琴「黒子の目を盗んでだったから、思った以上に時間かかったわね」

美琴「やっぱり手作りよね~」

美琴「編み物なんて初めてだったけど、意外といけるもんね」

美琴「うんうん、我ながらなかなかの出来栄え」

美琴「当麻喜んでくれるかな………」

美琴「あっ!そろそろ帰ってくる頃ね」

美琴「とりあえず紙袋に入れて…」

美琴「あとは持ってくだけね」

美琴「3日後か~」

美琴「二人っきり………」

美琴「ああああ~」バタバタ

美琴「ク、クリスマスだからね…」

美琴「やっぱり恋人同士だし…」

美琴「~~~~~~」カァァ

美琴「だ、大丈夫よね」

~~~~~~~~~~

黒子「ただいま戻りましたの…」

美琴「おかえり…ってどうしたの?」

黒子「ジャッジメントのお仕事が…」

黒子「クリスマスにジャッジメントのお仕事がああああ」

美琴「そ、そうなの?」

美琴(ラッキー!)

黒子「ええ…クリスマスに警備を強化するため、私も出払うことに…」

美琴「それは残念ね~」

美琴(黒子には悪いけど、当麻と会う口実考えないで済んでよかったわ)

黒子「せっかくお姉様と聖なる夜を過ごそうと計画を練ってまいりましたのに!」

美琴「ま、まあ、ケーキとか買っといてあげるから、クリスマスの後にでも食べましょ?」

黒子「……まあ、ジャッジメントのお仕事だけは、避けるわけにはいけませんからね」

美琴「…あたし、黒子のそういうとこ好きよ」

黒子「へ?」

美琴「ジャッジメントとしての責任を持ってるし、どんなときでもすぐジャッジメントの自分に切り替えれるとこ」

美琴「たぶん普通の人じゃできないと思うわ」

黒子「お姉様!」

美琴「だから、クリスマスも頑張るのよ?」

黒子「はい!黒子!クリスマス、ジャッジメントとして精一杯頑張りますわ!」

ー2日前ー

美琴「明後日か…」

美琴「早くこないかな~」

美琴「…クリスマスくらい私服でもいいわよね」

美琴「あいつ、あたしの私服見てなんていうかな…」

美琴「っていうかちゃんと着ていける服あったっけ?」

ゴソゴソ

美琴「ん~どれもいまいちね」

美琴「…買いに行くか」

美琴「どんなのがいいのかしら」

美琴「短パンはなしね」

美琴「やっぱり女の子っぽいやつかな…」

美琴「………勝負下着とか」カァァ

美琴「さ、流石にゲコ太パンツじゃダメよね」

美琴「見られても恥ずかしくないやつを…」

美琴「ってなんでそういうことする前提なのよ!」

美琴「…………」

美琴「………自分にツッコミ入れちゃうあたり、あたしも結構やばいかも…」

美琴「ま、まあ、それだけ楽しみってことで…」

美琴「ちなみに下着は…」

美琴「…こっちもないか」

美琴「………一式揃えるしかないわね」

美琴「まだ間に合いそうだし、今から買いに行くか」

ー1日前ー

『美琴か?』

美琴「なに?」

『いや、明日だから待ち合わせ場所確認しとこうと思って』

美琴「そういえば決めてなかったわね」

『どうする?俺はどこでもいいんだけど…』

美琴「そうね~あの自販機のある公園は?」

『おまえの回し蹴りをくらい続けたかわいそうな自販機か』

美琴「あんたの2000円札が飲み込まれたとこね」

『うっ…覚えてたのか』

美琴「もとはとってあげたじゃない?」

『そのかわり全力で逃げるハメになったけどな』

美琴「あんたの逃げ足は世界一よ」

『俺の逃げ足を褒める前に、あの自販機を労わってやれよ』

美琴「そうね、あんだけ回し蹴りくらってまだあるんだからね」

『さらにおまえの電撃までくらってんだからな~あの根性はうちの電化製品にも欲しいくらいだぜ』

美琴「今度あんたのとこにもやってあげようか?ビリビリって」

『うちのは対美琴仕様じゃないからダメだな』

美琴「なによそれ~そのうちあたし仕様に変えときなさいよ」

『なんで?』

美琴「そ、それは、あんたのとこにいること多くなったし…」

『でもおまえ最近ビリビリしてねえじゃねえか』

美琴「そうだっけ?」

『そうだろ、まあ俺としては生命の危機にびびらなくていいけど』

美琴「ちょっとした緊張感を持ってるくらいがいいのよ?」

『それでもビリビリは勘弁願いたいね』

美琴「ならビリビリしないよう努力してあげるわよ」

『それはどうも、それで時間はどうする?』

美琴「9時にしましょ」

『随分と早えな』

美琴「だ、だって…」

『まあ、俺も同じだからそれでいいけど』

美琴「えっ?」

『…楽しみだな』

美琴「うん」

『プレゼント用意したか?』

美琴「もちろん!」

『そうか…これ以上聞いたら楽しみが減っちまうな』

美琴「…そうね、あとは明日の楽しみってことで!」

『ああ、それじゃあまた明日な』

美琴「うん、また明日」

パタン

美琴「明日…」

美琴「明日か~」

ークリスマス・イブ・8時半ー

美琴「…ちょっと早かったわね」

美琴「う~寒い」

美琴「なんかあったかいのを…」

美琴「流石に今日は回し蹴り入れないから、飲み込まないでね~」チャリン

美琴「お!ちゃんと入るわね」

ピッ

ガタン

美琴「やっぱりあんたはあたしの知る限り一番の自販機よ」

上条「なに自販機と話してるんですか?」

美琴「ひゃっ!」

上条「確かに労わってやれとは言ったけど…他から見るとちょっと危ないぞ」

美琴「い、いきなりでてくんじゃないわよ!」

上条「いや~声かけようかと思ったんですけど、えらく楽しそうにしゃべってたもんで」

美琴「あんたが労わってやれって言ったんでしょ!」

上条「いや、心の中で思ってくれればそれでいいんだけど…」

美琴「じゃあこれからあんたの苦労は、全部心の中で労わってあげるわよ」

上条「俺はこの自販機と一緒ですか!?」

美琴「そうね~どっちもあたしの電撃受けてピンピンしてるしね」

上条「………それもそうだな」

上条「でも回し蹴りくらったら、立ってられる自信ねえぞ?」

美琴「そっか~当麻の方が繊細か~」

上条「そうそう!」

美琴「じゃあ優しく労わってあげないとね~」ナデナデ

上条「………やっぱり心の中で思ってもらえますか?」

美琴「しょうがないわね~あんたがそう言うんならそうしてあげるわ」

上条「ありがとよ」

美琴「あ、もう冷えちゃってる」

上条「ちゃんと金入れたのか…よく飲み込まれなかったな」

美琴「労わってあげたからね、それにあんたは2000円札なんか入れたからよ」

上条「それのせいだったか…俺は今日も軽快に回し蹴り入れてると思ってたぜ」

美琴「あれなにが出てくるかわかんないじゃない」

上条「?」

美琴「だから!デ、デート前にスープカレーなんか出たら困るじゃない」

上条「あ~確かにそうだな」

美琴「それに…この服でそんなことできないでしょ…」

上条「そうだな…」

美琴「…………」

上条「あ~悪かったな、つっこまなくて」

美琴「…………」

上条「いや、ちゃんと気づいてたぞ?」

美琴「…………」

上条「え~っと~…………」

美琴「…………」

上条「………似合ってるぞ」

美琴「遅いわよ、バカ…」

上条「…悪い」

美琴「普通最初に言う言葉でしょ?」

上条「返す言葉もございません」

美琴「…どんな風に似合ってる?」

上条「その…かわいくていいんじゃないか?」

美琴「………まあ、許してあげるわ、怒ってたらせっかくのデートが台無だしね!」

上条「そうだな」

美琴「ってことでこれ」

上条「ん?」

美琴「プレゼントよ、プレゼント」

上条「ああ、もう渡すのか?」

美琴「そうよ、荷物になるし」

上条「…ひでえ理由だな」

美琴「ほら、いいからとっと開けなさいよ」

上条「はいはい………マフラーか?」

美琴「そうよ、あんたマフラーつけないし、今日もつけてないからこれから使えるでしょ?」

上条「なるほど」

美琴「さらになんと!美琴先生の手作りよ!」

上条「これがか!?…市販のやつかと思った………」

美琴「あんた前に手作りがいいとか言ってたでしょ?」

上条「あ~言った…かな?」

美琴「覚えてないの?あの事件のあとお菓子持ってったら言ったじゃない?」

上条「あのときか、確かに言ったな」

美琴「不器用な出来じゃないけど、一生懸命作ったわよ?」

上条「そうか…ありがとな」

美琴「大事に使ってよね」

上条「ああ、大事に使わせてもらうよ」

上条「…マフラーか…じゃあ俺は手袋にでもすればよかったな」

美琴「いや、それは………」

上条「おまえ手袋つけてないじゃん」

美琴「その…手…繋ぎたいから………」

上条「そ、そっか…」

美琴「あんたは用意してきたの?」

上条「それなんだがな…」

上条「実はなにも用意してないんだ」

美琴「…………」

上条「いや、考えなしに用意しなかったわけじゃないぞ?」

美琴「言ってみなさい」

上条「正直おまえの好きそうなものとかわかんねえし、それなら一緒にショッピングでもして、おまえの欲しいもん買ってやろうかな~って」

美琴(当麻がくれるものならなんでもよかったのに…」

美琴「…まあ、それでもいいわ」

上条「そ、そうか!」

美琴「そのかわり!女の子の買い物は心してかかりなさいよ?」

上条「あ、ああ」

上条「じゃあ行くか」

ぎゅっ

美琴(え?………手握って……)

上条「こうして欲しかったんだろ?」

美琴「うん………」

美琴(当麻から握ってくれた!)

美琴(………あったかい)

~~~~~~~~~~

上条「とりあえずどんなのが見たいんだ?」

美琴「そうね~雑貨屋とかかしら」

上条「服とかじゃないんだな」

美琴「なんで?」

上条「女の子と言えば服を買うってイメージが…」

美琴「あたしの学校じゃ、服なんか買っても着ることないし…」

上条「今日着てんじゃねえか?」

美琴「今日は特別だからよ」

上条「特別か…」

美琴「だいたい、クリスマスくらい私服でもいいでしょ?そんくらい学校も黙認してるわよ」

上条「そんなもんか」

美琴「あ!ここ!」

上条「………随分ファンシーな雑貨屋だな」

美琴「ほら、あたしの好きなもの買ってくれるんでしょ?」

上条「そうだったな」

~~~~~~~~~~

上条「…なんだこれ?」

美琴「…なにかしらねえ?」

上条「………これ肩凝りとるやつらしいぞ」

美琴「そうなの?」

上条「ほら」グリグリ

美琴「んっ……あっ………」

上条「どうだ?凝りはとれそうか?」

美琴「んっ…結構っ……ツ、ツボに………入るかもっ……」

上条「効果はあるみたいだな」

美琴「ふぅ…見た目はあれだけどね」

上条「いいなこれ、買ってみるか?」

美琴「えーいらないわよ」

上条「効果のほどは実証済みだろ?」

美琴「でもグリーンイグアナの背中のトゲでツボ押すなんて嫌よ」

上条「こう、寝っ転がって背中にさぁ」

美琴「グリーンイグアナを背中で潰す彼女の姿なんか見たい?」

上条「見たくな……いや、見てみたいかも…」

美琴「はあ?」

上条「滅多に見れるもんじゃねえぞ、グリーンイグアナを背中で潰しながらよがる彼女」

美琴「………あたし、選ぶ人間違えたかしら」

上条「まあ、冗談なんだけど」

美琴「冗談なの?」

上条「半分」

美琴「どこら辺まで本気?」

上条「背中にさぁ、くらいまでかな」

美琴「………ギリギリセーフね」

上条「流石によがるのは見たくないな」

美琴「そうよね」

~~~~~~~~~~

上条「お!これどうだ?」

美琴「ん?…あっ!」

美琴「ゲコ太!」

上条「我ながらいい発見だろ?」

美琴「うんうん、あんたいい目のつけどころしてるじゃない!」

上条「………そこまで褒められても」

美琴「これ、耳かきみたいね」

上条「耳かきか」

美琴「いいわね、これ」

上条「それなら実用的だしな」

美琴「ほら、あんたに耳かきしてあげるわよ?」

上条「それは願ったり叶ったりだ」

美琴「膝枕してね~」

上条「いいな」

美琴「男の人は好きでしょ?」

上条「全員がそうかは知らないけど、俺は好きだな」

美琴「そして、耳かきにゲコ太がいたらもう最高よね!」

上条「いや…それは、おまえだけだと思うぞ」

美琴「いいわ~ゲコ太」

上条「………ゲコ太に気を取られて、俺の耳を血まみれにしないでくださいよ?」

美琴「大丈夫よ…たぶん」

上条「たぶんってなんだー!」

美琴「ほら、これ買うわよ」

上条「ああ…そうか」

「700円になりまーす」

上条「ほらよ」

美琴「ありがとー!」

上条「ゲコ太になると目の色変わるな」

美琴「んふふ~♪」

上条「まあ、嬉しそうだしいいか」

美琴「次行きましょ!次!」

上条「はいはい」

ージャッジメント177支部ー

初春「警備強化って言ってましたけど、特に何もありませんね~」

黒子「初春!気を抜いてるときに何かあっては困りますの!」

初春「まあ、そうですけど…」

黒子「しっかり警戒して、監視カメラを見なさい!」

初春「白井さん、なんかすごく気合入ってますね…」

黒子「それはもう、お姉様にがんばるよう言われましたから」

初春「御坂さんにですか」

黒子「ええ、お姉様のご期待にそぐう仕事をしませんと!」

初春「そうですね~………ん?」

黒子「どうしましたの?」

初春「これ御坂さんじゃないですか?」

黒子「どれです?」

初春「今このモニターにうつしますね………これです」

黒子「!!!」

初春「私服なんて珍しいですね、常盤台って外出のときは制服でしたよね?」

黒子「………そうですわ」

初春「隣の人誰でしょう?手を繋いでってことは…彼氏さんですか!?」

黒子「……………」

初春「いいなぁ~クリスマスにデートなんて」

黒子「………初春」

初春「なんですか?」

ガシッ

黒子「今すぐ詳しい場所を割り出しなさい!今すぐ!」

初春「え?何でですか?」

黒子「私のお姉様がああああ!」

初春「お、落ち着いてください!白井さん!」

黒子「あの男を二度と戻って来れないところにテレポートしてさしあげますわ!」

初春「そんなことしちゃダメです!御坂さんに嫌われちゃいますよ!?」

黒子「お姉様!今すぐそこにいいいい」

ゴッ

固法(本の角………)

初春「だからダメって言ってるじゃないですか!」

黒子「…………」

初春「人の恋路を邪魔したら、馬に蹴られて死んじゃうんですよ!?」

固法「その子もう死んでるじゃない?」

初春「えっ?」

黒子「……………」

初春「あれ?白井さん?白井さん!?」

黒子「んっ…んん………」

初春「あっ!」

黒子「…えっと私は………」

初春「さ、さっきそこで転んで、そこの机の角で頭を打ったんですよ!」

固法(ごまかした!)

黒子「そうでしたの…」

初春「はい!」

初春(さっきのことは、覚えてないみたいですね)

黒子「何か忘れているような…そのモニターにうつってる画面は?」

初春「あ、えっと…」

初春(さっきのままだったー!)

黒子「特に何もうつってませんわね」

初春「え?あっ!そうですね」

初春(お二人とも移動したんですね)

黒子「それじゃあ、引き続き頼みますわよ」

初春「はい、白井さんも無理しないでくださいね」

ー昼食ー

美琴「……………」

上条「どうした?」

美琴「どこかで事件が起きた気がするわ」

上条「………どこの小学生探偵だよ」

美琴「でも、なんか助かった気がするわ」

上条「そりゃよかったな」

美琴「…そろそろお昼ね」

上条「もうそんな時間か」

美琴「何食べたい?」

上条「おまえが食いたいもんでいいぞ」

美琴「って言われてもねえ………あそこでいいんじゃない?」

上条「人少なさそうだし、いいんじゃねえか?」

美琴「じゃあ決まりね、早く行きましょ!」

上条「あ、ひっぱんなって」

「2名様でーす」

上条「ふう、ちょっと休憩」

美琴「結構回ったわね」

上条「でも見るだけみて、まだゲコ太の耳かきしか買ってねえぞ?」

美琴「いいのよ、ショッピングってのはいろいろ見て回るのが楽しいんだから」

「ご注文はお決まりでしょうか?」

上条「えっと…このきのこのクリームパスタで」

美琴「あたしも同じので」

「きのこのクリームパスタ、お二つですね、少々お待ちください」

上条「それで何の話だっけ?」

美琴「ショッピングは見て回るのが楽しいって話しよ」

上条「ああ、もっといろいろ買うと思ってたのにあんま買わねえから…」

美琴「もっとおねだりしたほうがよかった?」

上条「そんぐらいがいいかもな」

美琴「大丈夫よ、午後にちゃんとプレゼントになるようなもの買ってもらうから」

上条「なんだ、もう決めてんのか?」

美琴「大まかにはね、あとは実際に見て決めるわ」

上条「そうか…」

上条「そういえば、白井はどうしたんだ?」

美琴「あ~黒子?」

上条「毎回言い訳考えるの大変とか言ってただろ?」

美琴「そうね~」

上条「まさか………ほんとに縛り上げてきたんじゃねえだろうな…」

美琴「あれは冗談よ、黒子はジャッジメントの仕事に行ってるわ」

上条「クリスマスまでジャッジメントかよ」

美琴「警備を強化するとか言って…そんなわけで特に問題なかったわ」

上条「まあ、ジャッジメントの仕事は気の毒だが、こちらとしては都合がよかったな」

「お待たせしました~きのこのクリームパスタです」

美琴「お、きたきた」

上条「なかなかうまそうだな」

美琴「いただきまーす…ん!おいしい!」

上条「ん~うまいな」

美琴「これで800円は安いわね」

上条「2000円のホットドックにくらべりゃな」

美琴「それもそうね」

上条「ん、クリームついてんぞ」

スッ

美琴「んっ………」

上条「おまえはよくいろんなとこにくっつけんな」

美琴「……………」カァァ

上条「落ち着いて食えよ」

美琴「うん………」

上条「?」

美琴「…い、今のあたしたちって恋人に見えるかしら?」

上条「ん~どうだろうな?兄妹に見えるかもしれないな」

美琴「そっか……」

上条「…でもやっぱり恋人だろ、クリスマスで兄妹で食事しにくるやつなんかそういないだろうし」

美琴「そ、そうよね!」

上条「それに兄妹にしては似てねえしな」

美琴「兄がツンツン頭なんて…ねえ?」

上条「くっ……そういうことを言うか」

美琴「あんたはこんなかわいい妹がいたらいいでしょ?」

上条「兄妹喧嘩じゃ勝てそうにねえけどな」

美琴「兄の威厳が丸潰れね」

上条「いや、でも右手で叩いて泣かしそうだな」

美琴「ひどーい」

上条「おまえが悪いことしたときだけだって」

美琴「…兄妹だったらもっと早く仲良くなってたのにね」

上条「でもそこまでだろ」

美琴「それ以上にはなれないもんね」

上条「そうだな、そういう点でおまえが妹じゃなくてよかったぜ」

美琴「………それって…」

上条「そういうことだ」

美琴「………うん」

上条「さて、そろそろ行くか」

美琴「そうね」

上条「会計済ませてくるから、先出ててくれ」

美琴「え?いいわよ、自分の分くらい…」

上条「いいから、いいから、すぐそこで待っててくれ」

美琴「…ありがと」

ー午後ー

上条「さて、次はどこに行くかな」

美琴(…もう一歩だけ先に進めても)

ぎゅっ

上条「うおっ!」

美琴「こ、これで恋人同士に見えるでしょ?」

上条「そ、そうだな」

美琴「……………」

上条「……………」

美琴「……………」

上条「えっと………このまま行くんですかねえ?」

美琴「あ、えっと………ちょっとしてみたかっただけだから………歩きにくいわよね…」

上条「そ、そうだ!一旦外に出ようぜ!そんで別のとこ見に行こう!」

美琴「それでいいわ…」

上条「…外寒そうだし、このまま行ったほうがあったかいな~」

美琴「!…そ、それじゃあこのままで!」

上条「ああ、それじゃあ出るか」

美琴「うん」ギュゥゥゥ

ーとある店ー

上条「ここか、おまえが見たかったとこは…」

美琴「ここのならちゃんとプレゼントになるでしょ」

「いらっしゃいませー」

上条「あんだけいっぱい
持っててまだ買うのかよ」

美琴「あの子たちは、あの子たちよ」

上条「どう違うんだ?」

美琴「これから買うのは、『クリスマスに当麻に買ってもらった子』になるの!」

上条「そうかよ」

美琴「どれにしよっかな~」

上条「…ここでまたゲコ太買うと、俺の脳が『クリスマスの記憶』じゃなくて『ゲコ太を買いに行った記憶』として認識してしまいますよ?」

美琴「ゲコ太がいたら迷わず『買い』だけど、ちゃんとしたのも買うわよ」

上条「それ聞いてとりあえず安心だな」

美琴「やっぱり、くまのぬいぐるみよね」

上条「くまか…」

美琴「あんまり大きいと持ってて帰るの大変よね」

上条「おまえの荷物なら俺が持ってやるから、好きなの選べよ」

美琴「そう?じゃあ…」

~~~~~~~~~~

「またおこしくださいませー」

美琴「~~~♪」

上条「…まさかここまででかいやつとは………」

美琴「んふふ~」

上条(まあ、でかいぬいぐるみを抱きしめてんのは、なかなか絵になるな)

美琴「こんなに大きいの初めて!」

上条「そうだろうな、俺も初めてだし」

美琴「これがクリスマスプレゼントね」

上条「そいつで満足してくれたか」

美琴「これ以上のものなんてないわよ!」

上条「そうか、そりゃよかった」

「お姉様?」

上条・美琴「!!!」

「こんなところで何をしてるんですか?その巨大なぬいぐるみはなんですか?とミサカは矢継ぎ早に質問をします」

上条「な、なんだ、御坂妹か」

御坂妹「なんだとは失礼な、とミサカは出合い頭の発言に対する遺憾の意を伝えます」

美琴「あんた一人なの?」

御坂妹「はい、猫の餌がなくなったので、買いに行くところです…お二人は…見た感じデートのようですね」

上条「ま、まあ、そうだな」

御坂妹「クリスマスにデートとは…今夜はお楽しみですね、とミサカはこれからのお二人の予定について考察します」

美琴「そ、そんなのまだはやいわよ!」カァァ

御坂妹「年上のあなたがリードしないといけませんよ、とミサカは無知な童貞男にアドバイスをおくります」

上条「童貞言うな!」

御坂妹「それでは、よいクリスマスを」

上条「………行ったな」

美琴「なんか、ものすごくいろいろ掻き乱された気がするわ…わざとかしら?」

上条「どうだかな」

美琴「これからどうするの?」

上条「荷物も増えたし、それにまた知り合いに会うのは避けたいな」

美琴「じゃあケーキ買って帰る?」

上条「それでいいな」

美琴「この子もいるしね」

上条「どんなケーキにするか決めといてくれ」

美琴「もう決めてるわよ」

上条「そうか、何にするんだ?」

美琴「甘~い、チョコレートケーキ!」

ー上条家ー

美琴「ただいま~」

上条「うっ………やっとついたか」

美琴「ケーキ、冷蔵庫に入れてくるわね」

上条(結局、俺がこのくま運ぶことになったか)

美琴「~~~♪」

上条(まあ、あの華奢な体にずっと持たせるわけにもいかないか…)

美琴「ん?なに?」

上条「いや、なにも…それより風呂沸かしてくれるか?たいぶ冷えちまったし」

美琴「分かったわ…………」

上条「?」

美琴「ねえねえ、ご飯にする?お風呂にする?それとも…あ、あたし?」

上条「ふ、風呂で…」

美琴「今用意してるから、ちょっと待ってね」

上条「…………」

美琴「…ちょ、ちょっとやってみたかっただけよ!悪い!?」

上条「いや、悪くはないけど…むしろ、よかったと言うか…」

美琴「と、とりあえずお風呂沸かしてくるわね」

~~~~~~~~~~

美琴「お風呂沸いたわよ~」

上条「ああ、先に入ってきていいぞ」

美琴「ん~あたしはあとでいいわ、夜ご飯の準備あるし…ケーキだけじゃ足りないでしょ?」

上条「そうか?悪いな」

美琴「準備も楽しいもんよ?だから気にしないで早く入ってくる!」

上条「わかった、わかった、お言葉に甘えさせてもらうよ」

ー夕食ー

美琴「あがったわよ~」

上条「…今日はゲコ太なんだな」

美琴「特に理由はないけどね…ワイシャツの方がよかった?」

上条「いつものゲコ太パジャマも俺はいいと思うぞ」

美琴「そ、そう?」

上条「ああ、とりあえず座れよ、ケーキとか運んどいたから」

美琴「あ、うん」

上条「………ちょっと狭くないですかねえ?」

美琴「あ、あたしはそうでもないけど…」

上条「向かいとか空いてますけど」

美琴「……………」

上条「さ、さあーケーキを食おうか!ほら、おまえの分もとってやるから」

美琴「あたしのいちご乗せてね!」

上条「はいはい」

上条「ほらよ」

美琴「うん!やっぱりこれ選んで正解だったわね」

上条「しかし、横に座るのはいいけどよ、目の前が殺風景過ぎやしないか?」

美琴「あ!じゃあ…………」

上条「…………」

美琴「これでどうよ!」

上条「目の前にくま………」

美琴「これでいいでしょ?」

上条「あーまあ、いいってことにするか」

美琴「それじゃあ食べましょ!………歌とかなんかあったっけ?」

上条「あれは誕生日だけだろ」

美琴「そっか、じゃあなにかしらねえ?」

上条「普通に乾杯でいいんじゃねえか?」

美琴「なるほど…それじゃあ………」

美琴「クリスマスに…」

上条・美琴「乾杯!」

美琴「………ぷはぁ~」

上条「お!いい飲みっぷりですねえ~」

美琴「まあね!じゃあケーキの方を…」

上条「俺も………」

美琴「ん~おいし~」

上条「思ったほど甘くはないんだな」

美琴「これくらいがちょうどいいわね」

上条「そうだな」

美琴「でも、この量は多すぎたわね」

上条「とっときゃインデックスが全部食うだろ」

美琴「あっちも楽しんでるかしら?」

上条「小萌先生もいるし大丈夫だろ」

美琴「あ、クリームついてる」

上条「ん?」

ペロッ

上条「!!!」

美琴「~~~」カァァ

上条「………えっと…ありがとう」

美琴「う、うん…」

上条「注意しといて俺もクリームつけてたら説得力ねえな」

美琴「お互い様ね」

上条「あ、他の料理も食べてこうぜ」

美琴「そうね、腕によりをかけて作ったから!全部食べなさいよ!」

上条「ぜ、全部か…この量を……」

~~~~~~~~~~

上条「ぜ、全部食った…」

美琴「よく食べたわね」

上条「そりゃあ作った本人に言われたからな」

美琴「無理しなくていいのに…」

上条「いや、でもうまかったから…そんなに苦じゃなかったな」

美琴「ならよかったわ」

上条「しかし寒いな」

美琴「そうね………あっ!」

上条「ん?」

美琴「雪降ってる!」

ガラッ

美琴「へ~ホワイトクリスマスね」

上条「どうりで寒いわけか…」

美琴「でもいいわね、幻想的で」

上条「幻想的か…」

美琴「…………」

上条「……悪いが、ちょっと幻想から帰ってきてくれるか?」

美琴「なに?」

上条「ほら…」

上条「クリスマスプレゼントだ」

美琴「え?クリスマスプレゼントは準備してないって…」

上条「ほんとはちゃんと準備してたんだよ」

上条「でも今日おまえとショッピングをしたのは、おまえの好きなものとか趣味とかを知りたかったからなんだよ」

美琴「あたしの?」

上条「もっとよくおまえのことを知りたくて、それで好きなものを買ってやるって言ったんだよ」

美琴「…そうだったんだ」

上条「いろいろ発見はあったし、今まで知らなかったことも知った」

上条「再確認することもできた…やっぱり俺はおまえが好きだ」

美琴「………うん」

上条「それ開けてみてくれるか?」

美琴「ん……………ネックレス?」

上条「そんなたいそうなもんじゃねえけど、それならいつでもつけてられるだろ?」

美琴「うん………ずっとつけてる」

上条「う~寒いな、そろそろ戻らねえか?」

美琴「そうね…」

上条「はぁ~やっぱりこたつだな」

美琴「あったか~い」

上条「…クリスマスだからほとんど特番だな、まあテキトーになんか見るか」

美琴「またクイズやってるわよ!」

上条「だから、おまえには勝てないって」

~~~~~~~~~~

上条「よいしょっと」

美琴「ひゃっ!」

上条「おまえうとうとしてたろ?」

美琴「え?これって?」

上条「約束通りお姫様抱っこだろ」

美琴「んっ…ああ」

美琴(当麻近い!)

上条「片付けはしたからもう寝るだけだぞ」

美琴「そうなの?」

上条「ああ………よっと」

美琴「あ、ありがと…」

上条「ほら、もうちょっと奥につめてくれ」

美琴「え?こっちで寝るの?」

上条「どうせ別々に寝てもこっちにくるんだろ?インデックスもいないし、最初からこっちにいてもかわんねえだろ?」

美琴「そ、そうね」

上条「よっと………電気消すぞー」

カチッ

~~~~~~~~~~

上条「まだ起きてんのか?」

美琴「………うん」

上条「さっきまでうとうとしてたのに…」

美琴「い、今はドキドキしてるの!」

上条「もう3回目じゃねえか」

美琴「だ、だって!………クリスマスだし………」

上条「………1回目は腕枕」

美琴「?」

上条「2回目は抱きしめた」

美琴「…………」

上条「そして今回は………」

チュッ

美琴「!!!」

上条「また1ステップだ」

美琴「………………」

上条「美琴………さん?」

美琴「え?…あっ……キス…したのよね?」

上条「はい」

美琴「~~~~」カァァ

上条「いきなりで悪かったな」

美琴「ううん、当麻からしてくれてうれしかった…」

上条「…………」

美琴「…………」

上条「………あ~どんな感じだった?」

美琴「普通そういうこと聞く?」

上条「すいません………」

美琴「…………」

美琴「チョコみたいな甘さじゃないけど…」

美琴「チョコより甘かった………」

上条「………そうか…………」

美琴「?」

上条「…今の俺にはこれ以上はできない」

美琴「え?」

上条「…俺はまだ高校生だし、おまえはまだ中学生だ」

上条「今の俺じゃすべての責任を取ることができない…」

美琴「………そうよね」

上条「でも、もし……俺がおまえのすべてを受け入れられるようになったとき…」

上条「俺と一生一緒になってくれるか?」

美琴「………それって」

美琴「プロポーズ?」

上条「そう思ってくれていい」

美琴「い、いきなりプロポーズって…」

美琴「まだ付き合って一ヶ月しかたってないのよ?…うっ……」

上条「…………」

美琴「あたしは当麻のことが好き…ぐすっ…」

美琴「あんたはずっとあたしのこと…好きでいてくれるの?…ひぐっ…」

上条「…俺はこれだって思ったやつとずっと一緒にいたい」

上条「おまえとならいいって思える」

美琴「うんっ……んっ…」

上条「悪いな、泣かせちまって」

美琴「いいわよ…うれし泣きだから…」

上条「ああ」

美琴「待っててあげるわよ」

上条「………ありがとう」

美琴「そのかわり、絶対幸せにしなさいよ」

美琴「できなかったら、ビリビリだからね!」

ー数年後ー

『ついに、あのレベル5が結婚しました』

『お相手はかねてより交際していた方で、レベルはなんと0!」

『ではさっそくご本人から、お話を伺いたいと思います』

『ご結婚、おめでとうございます』

『あ、ありがとうございます』

『どうですか、今のお気持ちは?』

『え、えっと…すごく幸せです!』

『お相手の方はレベル0だそうですね、どういった経緯でご結婚に至ったんですか?』

『…本当に優しくて、会うたびに惹かれていって………』

「あ~まだこのニュースやってんだな」

「は、恥ずかしいから消しなさいよ!」

上条「いいじゃねえか、おめでたいんだし」

美琴「そ、そうだけど…」

上条当麻「それとも俺と結婚したのがそんなに恥ずかしいんですか?」

上条美琴「うっ…うれしいに決まってんでしょ!」

おわり







ゼロスさん読んでもらってありがとうございます!
まだあるのでぜひそれも読んでいって下さい
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Author:雨風
福岡のIT企業に勤める会社員
時間が経つのは早いですねー

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